食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)
Point
① 特定の食物を食べた後に運動をするときだけ起こるアナフィラキシー
② 食事単独でも、運動単独でも起こらないことが多いから、気づかれにくい
③ 予防は食後の運動回避と原因食物の特定・除去
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)とは?
食物依存性運動誘発アナフィラキシー(Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis, FDEIA)は、特定の食物を摂取した後に運動をすることで、アナフィラキシーが引き起こされることです。
食物や運動だけでは症状が出ないことが多く、食後に運動した時にだけ発症することが特徴です。
どんな症状が出る?
食後に運動を始めてから数分〜数十分以内に、以下のような症状が出ることがあります。
・じんましん
・かゆみ
・呼吸困難
・腹痛・嘔吐
・めまい・意識低下
・血圧低下
・喉の締めつけ感
症状は軽いものから重篤なアナフィラキシーまで幅がありますが、重度の場合は救急対応が必要になります。
なぜ起こるの?
FDEIA の発症機序は完全に解明されていません。
・運動による血流・消化管の変化
・ヒスタミンやロイコトリエンなどのメディエーターの放出増加
運動により腸管透過性が上昇し、抗原の吸収が増えることで反応が誘発されるという仮説があります。
どの食物が原因になりやすい?
FDEIA の原因として報告が多い食品は次の通りです。
・小麦(ω-5 グリアジンが代表的原因)
・大豆
・ナッツ類
・シーフード
・トマト・果物類
特に 小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA) は FDEIA の中でも代表的なタイプで、成人で報告例が多いです。
発症までのタイミングは?
一般的には、食後 30 分〜4 時間以内に運動をした場合に発症しやすいです。ただし個人差があり、食後の空腹感や食物の種類・量によっても変わります。
どうやって診断する?
・問診にて症状と運動との関連性
・皮膚プリックテスト / 血液特異的 IgE
・場合によっては運動負荷試験
ただし負荷試験でアナフィラキシーが発症するリスクがあるため、総合病院など緊急対応が万全な状況で行います。
予防と対策
食後すぐに運動しないようにすることが基本です。
一般的な目安としては、食後 4 時間は激しい運動を避けることが推奨されます。
原因食物の除去
原因となる食物を特定した場合、運動時にはその食物を避けることが重要です。
エピペン(アドレナリン自己注射薬)
ご自身でうつ、アナフィラキシーの際の緊急治療薬です。重篤な反応の既往がある場合は処方し、普段から携帯していただきます。
受診すべきタイミング
食後に運動したら蕁麻疹がでた、強い痒みに襲われた、ひどい下痢になった、などの場合はご相談ください。
まとめ
FDEIA は一見わかりにくいアレルギーですが、
・食物だけでなく運動が関与する
・タイミング(食後と運動)が重要
・原因食物の特定と日常の工夫で予防できる
という特徴があります。
気になる症状があれば、アレルギー専門医や皮膚科・内科で相談しましょう。